家を建てる時の儀式には、地鎮祭と上棟式があります。
これらは工事の安全や無事に完成することを願うものですが、一般住宅ではいずれも省略されるのが最近の傾向です。
家を建てる時に、これらの儀式を行う場合は、神主への神饌料を含めて必要な費用は施主が負担します。
地鎮祭とは?
地鎮祭とは着工前に、その土地の神を鎮め、土地の使用の許しを願い、工事の安全を祈願する儀式です。
儀式は、建設地の四隅に青竹を立て、しめ縄で囲った祭場を作り、祭壇と円錐形に盛られた砂山を設けます。
祭壇には、「野のもの」、「山のもの」、「海のもの」をお供えします。
砂山には、儀式の中ほどで、設計者が鎌入(かまいれ)、施主が鍬入(くわいれ)、そして施工者が鋤入(すき入れ)を行います。
この後、玉串奉奠(たまぐしほうてん)などを行いますが、手続きや作法は地域により若干異なります。
儀式が終わると、神主から鎮物(しづめもの)をいただきます。
鎮物にも色々ありますが、桐の小箱(米、塩、イネわら、御札などが入っている)が一般的です。
この鎮物は基礎の下に埋められ、工事の安全祈願と家の繁栄を願うものです。
上棟式とは?
上棟式は棟上式とも言い、建物の棟が上がったことに感謝し、無事完成することを祈願するものです。
家の棟が上がると、施工業者もしくは大工の棟梁が用意した幣束(へいぐし)を家の棟付近に鬼門(北東)に向けて取り付けます。
また、建物の四隅の柱に、お神酒や塩、米などを巻き、天地四方の神を拝みます。
合わせて上棟式には、大工に対する感謝を表す趣きがあり食事や飲み物でもてなし、ご祝儀が出されます。
まとめ
家を建てる時の地鎮際や上棟式は、あくまでも施主の任意で行われ、儀式を行わなかった場合でも施工者の感情を害するものではなく、家の出来上がりにも影響が出る訳ではありません。
むしろ、工程の短縮や施主の負担を減らす意味から、最近では省略する傾向にあります。