家を建てる時の基準となる建築基準法では、極めて稀(数百年に一度程度)に発生する地震に対して倒壊・崩壊しない程度としており、一般的に言われているのは震度6~7です。
また、稀(数十年に一度程度)に発生する地震に対しては損傷を生じない程度とされており、震度5程度を想定しています。
つまり、建築基準法で建てられた家は、震度5程度では損傷せず、震度6~7程度では損傷はするが倒壊しない、と言うことです。
そして、これを上回る耐震性能を具体的に求めたのが、「性能表示制度」における耐震等級です。
耐震等級とは?
家を建てる時に「性能表示制度」を利用した場合、地震に関する項目では、耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)があり、倍率が1.0、1.25、1.50の3段階に分類されています。
倍率1.0と言うのは、建築基準法で求められている強さと同じで、1.25、1.50はそれの各倍率となります。
ただし、1.5倍と言っても震度6~7の1.5倍の震度9.0~10.5に耐えると言うものではありません。
震度6~7によって建物にかかるエネルギーの1.5倍に耐えると言う意味で、震度6~7に対する安全率と見る方が正しい。
制震装置と免震装置
最近は、上で述べた耐震等級で地震に対する安全率を確保するだけではなく、地震による建物の揺れエネルギーを吸収する制震機能付きの住宅もあります。
また、建物にかかる地震エネルギーそのものを吸収する免震装置もありますが、そのコストや設置条件などから一般住宅では普及していません。
まとめ
直下型の地震に耐える家を建てることは不可能に近く、空中に浮かぶ家でない限り無理です。
しかし、そうでない場合の地震に対しては、相応に耐えうる家を建てることは可能となっています。
一般に家を建てる時に、構造躯体に掛かる費用はあまり意識されず、システムキッチンやその他の設備費用に目が向きがちです。
しかし、本当に目を向け、コストを掛けなければならないのは、構造躯体や耐震性能です。
豪華なシステムキッチンも、地震で家が壊れてしまっては意味がありません。
従って、性能表示制度や制震装置などを利用して耐震性能を上げ、倒壊しにくい家を建てることが必要なのです。