日常生活の中で、お風呂は最もアメニティーを感じさせる空間のひとつでしょう。
そのため、新築時にはアメニティーを最優先したり、最新で多機能なお風呂を計画しているケースを見かけますが、配置場所によっては利便性に欠けていたり、高価なオプション機能も実用性が乏しいなどの理由で使わなくなり、後悔する場合があります。
基本性能と過剰機能
標準的なお風呂の機能以外でオプション扱いとされているのは、暖房・乾燥機、ジェットバス、ミストサウナ、床暖房機能、なかにはTVなどが選択できるものまであります。
しかし、これらの機能をフルに楽しむことは現実的ではなく、後悔しないためには家族にとってどの機能が有効で実用的なのかを新築時には話し合っておく必要があります。
なお、お風呂のアメニティーの基本は、足をゆったりと伸ばせる浴槽と勢いのあるシャワーと言うことを認識しておきましょう。
お風呂の位置
現在の新築では、利便性を考慮して寝室の多い2階にお風呂を設けている場合があり、特に眺望が望める場所では2階の条件のよいところに設けられているのを見かけます。
しかし、高齢化に伴って1階が主要な生活空間になってくると2階のお風呂では利用しにくく、主要なお風呂とシャワールームとを別階に設けるなどの工夫も必要となります。
また、お風呂から個室までの動線は視線などで利用制限を受けやすい玄関ホールなどを通らない場所としておくことも重要です。
浴槽と洗面・トイレ
欧米にあるような、浴槽・洗面・トイレを1室に設ける間取りも稀に見られますが、欧米の住宅では、2バスルーム・4ベッドルームなどのように複数のバスルームがあり、多くは寝室の近くに設けられています。
従って、新築時に欧米式のバスルームを採用する場合には、洗面・トイレの各機能別の場所を別途計画しておくことが重要で、欧米スタイルへのあこがれやスペースの合理化だけで採用すると後悔することになります。
まとめ
新築のお風呂で後悔しないためには、家族構成や生活様式、そしてお風呂に何を求めるかなどの具体的な利用しているイメージを持つことが重要で、お風呂・洗面・トイレが1室の欧米スタイルへの憧れや多機能な設備に惑わされると後悔することもあります。
また、現在の新築では1階にお風呂、2階にシャワールームを設ける間取りが増えてきており、多様な生活スタイルにも対応できるようにしておくことは必要でしょう。
なお、1階にお風呂を配置する場合は、来客の恐れがある玄関ホールやリビングなどからの視線にも配慮した位置としておきましょう。