家を建てるユーザー側には、子供の保育園探しや転校手続きなどで、引越しに都合のいい時期がありますが、家のためにいい建築時期はあるのでしょうか。
家を建てる時に絶対にいい時期、と言うのはありませんが、あえて条件を付けるならリスク回避のため、真冬の着工は避けるべきだと思います。
厳寒時の基礎は避けること
家を建てる時、まず最初の工事は根伐り、そして基礎コンクリートへと続きます。
コンクリートの性格として、外気温が低いと硬化速度が遅くなり、高いと早くなります。
また、コンクリート基準では打設(コンクリートを流し込むこと)後4週間で設計強度に達していなければならず、外気温が低い時には温度補正を行い基準通りに4週間で設計基準に達するようにします。
詳細は省きますが、低気温の時は設計強度よりも高い強度のコンクリートを使い、4週間で設計強度に達するようにすると共に、打設後は必ず養生を行います。
これらの対策を施していないと設計強度が出ないばかりか、コンクリートが凍結する場合があります。
コンクリートを凍結させてしまうと、コンクリートはシャーベット状になり、硬化後も金槌で叩くだけで割れるようになります。
これらのリスクを避けるために、可能であれば真冬の厳寒時の基礎は避けるべきなのです。
施工者サイドの都合による着工時期
各企業によって異なりますが、一般的に3月末を決算時期とする企業が多いと思います。
この決算時期から逆算して、家を建てる工事期間を120日とすると、12月が着工日となります。
また、先に述べた理由でユーザー側でも、3月の引渡しを条件とするケースが多く、施工会社と利害が一致してしまい、12月の着工が以外と多いのです。
勿論、適切な対策をとれば真冬でも設計通りの基礎を作ることができます。あくまでもリスクの有無と大小の問題です。