新築する際の間取りには、ハウスメーカーや住宅雑誌などを参考にすことが多いと思います。
そして、人気のある間取りと言うのは、つまりは時代を反映した生活スタイルの方向性であろうと思います。
しかし、カタログや雑誌のカッコ良さだけで、間取りを決めてしまうのは考えものです。
人気の間取りを冷静に判断
LDK(リビング・ダイニング・キッチン)は和製英語で、戦後の住宅振興の中で日本住宅公団(現在のUR)が作った言葉ですが、住宅の洋風化の影響を受けたものとも言えます。
3LDKとは3つの個室と居間、食堂、台所を表わしており、主要な間取り構成を簡潔に表しています。
もちろん、別途に洗面所、トイレ、浴室などが付きます。
時代が進み少し余裕がでてくると、応接間が当たり前のように作られました。
そして、その位置は玄関ホールを挟んで居間の向かい側にあるのが人気の間取りでした。
しかし、折角作った応接間は有効に使われることはなく、空き部屋状態になっているのが大半でした。
これなどは、時代を反映した間取りではありますが、居住者の生活スタイルや実体に合っていないために大失敗した例です。
従って、新築時にカタログなどから人気のある間取りを参考とする際は、自身や家族の生活スタイルに適しているか否かの冷静な判断が必要になります。
リビング・ダイニング・キッチン
時代を反映した人気の間取りで特徴が顕著に現れるのは、リビング・ダイニング・キッチンです。
その意味では、L・D・Kと言うのはよくできた造語だと思います。
当初、比較的仕切られていたこれらの空間も次第にワンルーム化されてきています。
しかし、そのワンルーム化も様々で、リビング・ダイニング・キッチンの3つをどのように組み合わせ、どれを中心とするかで、その生活スタイルが変わります。
最近の新築住宅の傾向としては、ダイニング・キッチンを団欒の中心にした間取りでしょう。
アイランドキッチンなどはその代表で、人気の間取りです。
生活をシュミレーション
新築の間取りを計画する時には、家族の実生活をシュミレーションしてみることです。
その場合も、家族それぞれの一日、そして週間の行動様式をシュミレーションすることで、何がどこに必要かが具体的に見えてきます。
先に挙げたアイランドキッチンは、家族で調理する時間を楽しむためには適したものです。
しかし、調理や洗い物をしている時の音は意外に大きく、リビングでテレビや映画を楽しむことを中心としている場合には向いていません。
また、アイランドキッチンに要するスペースは比較的大きく、全体のバランスに占める割合も大きくなります。
新築時の限られた予算や延床面積の中で、なにを優先するか、何を中心にするかは、出来るだけ具体的に生活シュミレーションをくりかえして、後悔のない間取りとするべきです。