新築の間取り計画をゼロから始める場合、何を計画の基本とすればよいのか、また何を判断材料とすればよいのか、標準的な間取りの決め方を、少し考えてみましょう。
敷地形状と方位
新築の間取り計画で、最も大きな要素が敷地形状と敷地の向き・方位で、それらによって間取りの決め方も変わってきます。
例えば、南向きで比較的間口の大きい土地では自然と採光が取れる間取りとなりますが、狭小間口の北向きの場合では、積極的に採光を意識しないと快適な間取りにはならない可能性があります。
全ての土地に南向きを求めるのは無理ですから、それぞれの土地に合わせて、中庭や天窓などを利用して快適な生活が得られる間取りを工夫することも必要となります。
生活スタイルを家族で確認
新築の間取りを計画する際には、生活スタイルなどからリビング重視かダイニング・キッチン重視かなどの方向性も間取りの決め方の重要な要素です。
この生活スタイルは、重視する部屋の広さやレイアウト、さらには住設備にも影響するため、家族で十分に話し合っておくことが必要です。
なお、家族の生活スタイルを考える場合、将来に子供達が独立した時、できれば老後のことも含めてイメージしておくことをお勧めします。
動線を忘れずに
新築の間取り計画で忘れがちなのが、生活動線で、家族の移動で不便を感じさせたり家事作業の効率が悪くなることは避けるべきで、動線計画も間取りの決め方の重要な要素となります。
特に人の出入りが多いリビングやダイニング、そして家事作業が多いキッチンや洗面(洗濯)所では動線をループさせておくことが重要で、往復動線では家事作業の効率が悪くなるだけでなく、場合によっては住居内での事故の恐れもあります。
例えば、キッチンから洗面(洗濯)所、そして洗面所から廊下やホールなどを通って再びキッチンへと繋がるでループ動線としておくことで、家事作業の効率化とスムーズな移動が図れます。
まとめ
新築の間取りの決め方で重要となるのは、敷地形状・方位、生活スタイル、そして生活動線があり、家族で決めた間取りも最後はプロにそれらをチェックしてもらうことを勧めます。
なお、敷地形状・方位や動線などに対する間取り案の適否は、設計担当者がある程度は判断できますが、間取りに何を重視するかの生活スタイルについては、将来のことも含めて家族と話し合うと共に、設計担当者への十分な説明と相互理解を深めておくことが重要となります。