最近は減りましたが、今でも時折、外壁に奇抜な化粧モールや凹凸などで飾った家を見かけることがあり、あまり感心しません。
家を建てる前は、どのような外観デザインがいいかと空想しますが、家の外観は住人の顔であり人格を表すこともあることを知っておきましょう。
デコレーションケーキは飽きやすく傷みやすい
美味しいデコレーションケーキも毎日では飽きるように、最初は満足していた外観もその奇抜さやオーバーデコレーションに飽き、次第に気恥ずかしくなることもあります。
家は目立つ必要はありません。外観のデザインは自然や周りに溶け込むことが必要なのです。
家を建てる時に化粧モールや凹凸を必要以上に多用すると、色あせや埃だまりを起こし数年で無残な姿になることも珍しくありません。
家の外観は見上げることが多い
家を建てる時は、立面図や外観パースなどで外観のデザインを確かめますが、それだけが全てではありません。
立面図や外観パースでは、かっこよく見えた屋根も実際には軒先しか見えず、外壁もその一部しか見えないことがよくあります。
これらは人の目には上下左右に視角というものがあるからです。多くの場合、家は見上げられ、外観は立面図やパースのように全体を見渡せることはほとんどありません。
立面図や外観パースだけに頼らず、それらから完成した時の見え方や周りとのバランスをイメージすることが重要となります。
シンプルな造形が自然に適応し易い
家を建てる時はシンプルな外観に、と言っても必ずしもマッチ箱のような形である必要はありません。
外壁の面をモールや凹凸で飾るのではなく、奥行きのある3次元の造形で全体をバランス・デザインされるべきです。
バランスの取れた家は長い年月の中でも美しく、飽きることもなく歴史を重ねることができます。そして、歴史を重ねた家が美しい街並みを維持していくのです。